ネトフリ版「三体」、コメント欄が閉鎖に
世界的に大ヒットし、日本でもブームを巻き起こした中国のSF小説「三体」が、動画配信大手のネットフリックス（ネトフリ）によって実写ドラマ化され、配信が開始されました。この作品は、中国でも大きな話題となっていましたが、レビューサイト・豆瓣では、このドラマに関するコメント欄が閉鎖されるという事態が発生しています。
「三体」は、中国人作家の劉慈欣さんが手がけたSF小説で、1966年から1976年の間に起きた文化大革命（文革）で父を亡くした女性科学者が、宇宙に向けて送った電波が「三体人」と呼ばれる異星人に届き、人類の危機を招くというストーリーです。劉さんは2015年に中国人として初めて、SF界の最高峰の賞である「ヒューゴー賞」を受賞しました。中国でベストセラーとなり、世界中で翻訳されています。
実写ドラマは中国のテンセント版が先行して制作され、日本では昨年10月からWOWOWで配信されていました。ネトフリ版は今年3月下旬に配信がスタートしましたが、中国では配信されていません。それにもかかわらず、レビューサイトやSNSで話題になっていたのです。しかし、4月に入って豆瓣でネトフリ版に関するコメント欄が閉鎖されました。閉鎖の理由は明かされていませんが、文革に関するシーンが原因ではないかという見方が浮上しています。文革の描写をめぐって、SNS上などで賛否両論が出ていたとされています¹。
このニュースは、多くのファンにとって意外な展開であり、作品へのアクセスや表現の自由に関する議論を呼び起こしています。
